大正・昭和美人画展

丈二

2008年08月24日 21:57



今日は大雨で夕方の散歩まで外出しなかった。
前日に引き続き夏休みネタ。

15日にかみさんと駿府博物館へ「大正・昭和美人画の系譜」展を見に行った。
「浮世絵研究家・中右瑛氏のコレクションより、時代の寵児として大衆に支持された竹久夢二、高畠華宵、蕗谷虹児、中原淳一や鏑木清方、伊東深水ら日本画家の肉筆画・版画・挿絵原画など約120点を厳選し近代絵画における“大衆アート”の時代を生きた画家たちの美人画の世界を展観します。」(チラシより)

  
小早川清「ほろ酔ひ」    松本かつぢ「みずうみのほとり」   蕗谷虹児「少女」

タイトル写真は高畠華宵の「ほたる籠」。華宵といえば美少年画。今回は美人画展なので美少年は無かったが、あのエキセントリックとも言えるリリシズムには惹かれるものがある。
その他様々な画家の美しい美人画を見たが、私の目を釘付けにした作品は、
甲斐庄楠音。
「舞の図・汐汲み」の1点だけだったが、ここ静岡で実物を見ることができるとは思わなかった・・・。

 
(左)「横櫛」、(右)「島原の女」

以前、NHKの「新日曜美術館」で初めて甲斐庄を見て強烈な衝撃を受けた。
日本画の世界にもまだまだ私の知らない、とんでもない天才・鬼才が大勢いるのだ。
上の二作品、「横櫛」の清純な乙女の奥に潜む只ならぬ気配。「島原の女」の諦観した中に見える、どす黒い女の情念・・・。
当時の画壇から「汚い絵」と拒絶された独特の画風・・・。

「幻覚・踊る女」
この作品に漂う妖気!
泥酔した女が幻覚を追いかける様が踊っているように見える。

その後甲斐庄は巨匠・溝口健二と知り合い、映画界に転進。時代風俗考証家として活躍する。溝口の監督した「雨月物語」はベネチア音楽祭で賞をとった。
生涯独身を通し、1978年死去。青年時代に婚約者に裏切られた為とも、同性愛者だった為とも言われる。(ウィキペディアより引用)

上村松園や小倉遊亀も好きだが、私は甲斐庄楠音のような個性的な才能により惹かれるのだ。





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