鬼太郎について
いつもの「水木先生・今日のお言葉」はお休みして、今日は師の生み出した最大のキョラクター「ゲゲゲの鬼太郎」について語ってみたい。
主題とは関係ないが上の写真は「夜明けの空」。低く垂れ込めた雲の向こうから今太陽が顔を出そうとしている。
三洋社「墓場鬼太郎」より
この衝撃的な画像は師の貸本漫画時代(昭和30年代)に初めて世に出た鬼太郎の姿である。
出っ歯で団子鼻、ずる賢そうな眼。醜く、どう見ても悪役顔である。この頃は「墓場の鬼太郎(おにたろう)」と名付けられ、「鬼太郎の誕生」に始まり「おかしな奴」、「ないしょの話」、「鬼太郎夜話」など不気味だが軽妙な作品群を生みだした。
コダマプレス「墓場の鬼太郎」より
昭和も40年代になり、鬼太郎が「少年マガジン」に連載され、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」としてTV放映されるや大ブレイク。妖怪ブームを創り出し、師の絶頂期(超多忙期)が到来する。
上の画像はその頃の鬼太郎。出っ歯は取れ、まともな顔になってきた。
このあとアニメの鬼太郎シリーズはカラー化され2度リメークされている。
東映アニメーションより
我らの鬼太郎は映画化もされ、ご覧のような凛々しい?正義の味方となった。
この鬼太郎の姿は私にとっては逆の意味で衝撃だった。もはや師独特の怪かしの世界から飛び出し、子供達が喜ぶアニメヒーローの一人になっていた。
この顔を見るにつけ白黒TV時代の鬼太郎が懐かしく思い出されてくるのだ。
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