「コミック昭和史」より


さて、師は「本日の水木サン」でも戦争体験でのお言葉を多く遺されている。


8月21日のお言葉

「自作の劇画や漫画の中で、最も愛着深い作品は何かと聞かれれば、
『総員玉砕せよ！』と答える。
ラバウルでの体験ををもとに書いた戦記ものだが、勇ましい話ではない。
誰に看取られることもなく
誰に語ることもできずに死んでいき、
そして忘れられていった若者たちの物語だ。」


7月28日のお言葉

「僕は戦記物を書くと
わけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。
たぶん戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う。」


師の所属していた中隊は大隊長のメンツのために玉砕を余儀なくされたのだ。これでは戦争に勝てる訳が無い。
まあ兎にも角にも師は生き残り、日本の土を踏むことができた。

NHK「鬼太郎が見た玉砕」より

さてこれはオマケの映像。右は香川扮する水木師。左の女将は絵沢萌子。以前「日本映画・裏ベスト」で紹介した元日活の女優さんである。私の前に今でも元気な姿を見せてくれた。